JR東日本と日本線路技術(東京都足立区、原田彰久社長)は、先端技術を使った新幹線の線路点検「スマートメンテ」を12月に本格始動する。レールなどの画像を分析する業務システムを開発。2種類のモニタリング車両とセットで導入し、最適なタイミングで補修する。目視点検の回数を50%減らす効果も期待できることから、業務の生産性向上にもつなげたい考えだ。
新たに開発した業務業務システムは「S-RAMos+(エスラモスプラス)」。モニタリングした画像から、補修が必要な箇所を自動で判断し、提案する機能を持つ。
モニタリング車両は「SMART-Green」「SMART-Red」の二つ。SMART-Greenは、レールに超音波を当て、内部に傷がないか調べる。レール表面の凹凸や摩耗の状態も把握する。SMART-Redは、分岐器や軌道材料など、線路設備の状態を点検する。
SMART-GreenはJR東日本の新幹線全線で導入済み。12月にSMART-Red1台を東北新幹線の東京駅~白石蔵王駅で採用する。同時にエスラモスプラスの使用も始める。25年度末までにエスラモスプラスを計4台導入するとともに、SMART-Redも順次追加。JR東日本の新幹線全線をモニタリングする。
JR東日本では、スマートメンテナンスのほかの鉄道会社への展開も検討する。