清水建設は、建ロボテック(香川県三木町、眞部達也社長兼最高経営責任者〈CEO〉)と共に、スラブ鉄筋の結束作業を省力化する補助装置を開発した。既製の鉄筋結束機を先端に取り付けて使用し、立ったまま足元の鉄筋を結束できる。身体的負担の大きい腰の屈伸動作の繰り返しを回避する。バネ機構を取り入れたベルトを装着して利用し、腕にかかる負担も抑制できる。清水建設の建設現場で活用するとともに、両者が連携して外販に向けた準備も進める。
鉄筋工事の生産性向上や作業従事者の身体的負担の軽減が目的。先端に鉄筋結束機の着脱機構を備えた延長ハンドルがあり、可動式のアームを介して延長ハンドルと連結する。鉄筋結束機の装着は、着脱機構のカバーを開いて所定の場所に結束機をはめ込むだけで完了する。
結束箇所の直上からハンドルを下方に押し込むことで結束機のトリガーが引かれる。これに合わせて、結束線が鉄筋の交差部に巻き付く仕組みだ。腰を曲げずに結束作業ができるだけではなく、腰と肩のベルトにより装置の重量を身体全体で支えられるため、身体的負担を大幅に軽減できるという。腕にかかる負荷軽減により、単位時間当たりの作業量の増加が見込めるとしている。
従来の鉄筋の結束時には、結束器具(ハッカー)や手持ち式の自動結束機が利用されているが、足元のスラブ鉄筋の結束には腰をかがめて作業を行う必要があり、負担になっていた。