JR有楽町駅西側の「丸の内仲通り南周辺地区」(東京都千代田区)で、複数の街区が連動した大規模な再開発が始まる。都市再生特別地区に追加し、規定の用途・容積率制限を適用除外にして自由度の高いまちづくりを進める。同地区への追加などを含む都市計画の決定・告示は2025年6月を予定。地区内にある帝劇ビル・国際ビルは建て替え後、高さ145メートルの超高層ビルになる見通しだ。再開発と連動し、有楽町駅地下を東西に貫く延長約120メートルの地下通路も新設する。
25日開催の区議会環境まちづくり委員会に報告された。同地区の都市計画手続きに当たり、区域内をA~Dの4街区に分ける。A街区に帝劇ビル・国際ビル、B街区には新東京ビルが含まれる。C街区が新国際ビル・新日石ビルで、D街区は有楽町ビル・新有楽町ビル。
A街区の整備内容が同日明らかになった。地区計画の変更で高さ145メートルの施設整備を可能にする。低層部には屋上テラスを整備。西向きのテラスからは皇居外苑が望め、屋内空間と合わせてさまざまなイベントが開ける環境を整える。
帝国劇場や出光美術館といった既存建物に入る施設も、機能を更新・拡充して再度入れる。帝国劇場にはバックステージツアーの受け入れなど、新たな観光資源になる機能を付与。出光美術館は多様な文化発信プログラムが展開できるようにし、子ども向けの教育などに活用する。建物には帰宅困難者の受け入れ空間を設け、外構部の歩道拡幅や緑地整備にも取り組む。
残るB~D街区の開発内容は現時点で検討中。ただ有楽町駅を貫く「東西地下通路」を新設して各街区と接続することは決まっている。幅員は6~12メートル。A街区とD街区には「公共的屋内空間」を設定する。地下通路も公共的屋内空間も、対象エリアの地区計画に位置付ける。
東宝、三菱地所ら権利者は今後、都市再生特別措置法に基づき都市再生特別地区への追加を区に提案。区も提案を受け、地区計画の変更手続きを始める。25年4、5月ころ区と東京都の都市計画審議会(都計審)で審議し、同6月の決定・告示を見込む。