国土交通省の橋本雅道官房審議官(技術・道路)が日刊建設工業新聞など専門紙各社の取材に応じた=写真。直轄事業の省人化・生産性向上の取り組みを推進するi-Construction2・0の旗振り役として「発注者として(ICT施工などの)費用面などで迷惑にならないよう支援に努めるが、これに業界が呼応してもらわなければ始まらない。食わず嫌いにならず、とにかく試してほしい。その上で現場の声を聞かせてもらい、必要なサポートをしていきたい」と呼び掛けた。
6月設置の新ポストとしてインフラ関連技術のイノベーションと、道路局所管施策の両方を取り仕切る。両分野にまたがる部分などを「俯瞰(ふかん)的に見やすい」とし、具体的な施策にフィードバックしていく考えを示した。
インフラ整備・管理の担い手が減少していく将来予測を踏まえ、1人当たりの労働生産性の向上と省人化が急務と指摘。そのために「デジタルの力を借りるのが今の王道」と話し、現場のオートメーション化やオフサイト化を推進する。結果的に労働環境の改善につながることも訴え、受注者らが取り組む環境を整え業界の背中を押す。都道府県や市区町村にも積極的な対応を求めていく。
1月の能登半島地震で道路の通行止めが多く発生したことから「平時、災害時を問わず人と物を動かせるネットワークを構築する必要性を再認識した」と振り返る。発災後の復旧対応だけでなく事前防災の視点も入れて、安全・安心なネットワークをどう構築していくかが課題と指摘。「道路の災害時の役割は、経済性や利便性だけでは計れない」として、災害対応も加味した上で適切な事業評価が可能な在り方も考えていく必要があるとした。