中部整備/設楽ダム(愛知県設楽町)本体着工式開く、施工は鹿島JV

2024年11月26日 行事 [8面]

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 中部地方整備局設楽ダム工事事務所は23日、愛知県設楽町で建設を進めている設楽ダムの本体工事着工式を奥三河総合センター(設楽町)で開いた。工事関係者や行政関係者、地域住民ら約130人が出席。事業の節目を祝うとともに無事完成を願い鍬を入れた。施工は鹿島・戸田建設・竹中土木JVが担当する。
 佐藤寿延中部整備局長は「多くの地権者の協力に深く感謝する。設楽ダムは豊川流域の安全・安心の確保と豊かな社会経済活動の実現に貢献する。一日も早い安全なダムの完成と地域振興の両輪で全力で事業を進める」と式辞を述べた。
 土屋浩町長は「半世紀、ダム事業と向き合ってきた。関係者は水源地域の思いを汲み、引き続き地域振興に協力してほしい。建設事業が順調に進み、豊川流域圏、東三河全体が発展することを祈念する」と話した。
 来賓の足立敏之参院議員は「施工者はダム建設でしっかりと実績を持っている。地域に見守られながら素晴らしいダムを建設されるよう期待する」とあいさつした。
 田中康寛所長は事業の経緯や進捗、ダムの概要などを説明し「建設DXを導入して生産性の向上を図り、安全に一日も早い完成を目指す」と力を込めた。
 設楽中学校3年生の小川蒼ノ介さんが「本体工事の見学を通じ、氾濫を抑えることができ、観光へも活用されると知った。ダムが完成し、この町がさらに良い町になると信じている」と期待の言葉を発表。その後、関係者で鍬入れを行い、工事の安全な推進と無事完成を祈った。
 設楽ダムは、豊川水系豊川の洪水調節や流水の正常な機能の維持、かんがい用水の補給、水道用水の供給を目的に建設する。形式は重力式コンクリートダム。堤高は129メートル、堤体積は約130万立方メートル。総貯水容量は9800万立方メートル。
 1978年に実施計画調査を開始し、2003年に建設工事に着手。ダム検証を経て事業継続が決定し、仮排水トンネルの整備などを進めてきた。現在、ダム本体の左右岸で基礎掘削を実施中。完了後、堤体コンクリート打設、放流設備の整備を行う。付け替え道路の整備も並行して進める。試験湛水を含め、34年度の事業完了を目指す。総事業費は約3200億円を見込む。
 □福井直之設楽ダム本体JV工事事務所長(鹿島JV)の話□
 「長期間の工事を安全に進め、地域貢献も目指す。さまざまな技術を活用し省人化を図り、品質のよいダムを完成させる」。