東京都と首都高速道路会社は22日、首都高速道路1号線の一部構造変更に向けた都市計画変更素案を公表した。同路線にある羽田トンネルの老朽化に伴い、更新工事を行う。羽田トンネルは海底に位置し、漏水が頻発化していた。トンネルの近くで海上を通る可動橋を含めたパイパス路(現在運行停止中)を高架橋として再整備。工事中の迂回(うかい)路としてだけでなく、工事完了後も上り線として利用する。
変更区間は羽田トンネルを含めた大田区東糀谷6~昭和島1で、延長は約1・6キロ。車線数は現行の4車線(上り2車線、下り2車線)から5車線(上り3車線、下り2車線)に変更する。
羽田トンネルは延長約300メートルで、海老取川をはさみ、大田区羽田空港と大森南を結んでいる。上り2車線、下り2車線の構造で、首都高初の海底トンネルとして開通から60年以上が経過。施設の止水能力も低下していた。
トンネルの更新工事中は3車線あるパイパス路を上り線の迂回路として利用。トンネルは下り線専用とし、片側車線ずつ通行止めにして改修する。工事完了後は、パイパス路をそのまま上り線の本線とし、羽田トンネルは下り線専用にする。
上り線を3車線にすることで、羽田トンネルを先頭に発生している渋滞の緩和も図る。
今後は素案に対する都民の意見を踏まえ都市計画変更案を作成し公告・縦覧する。その後、都市計画審議会の審議を経て都市計画変更の告示を行う。都市計画決定後は首都高速会社が都市計画事業の認可を取得。以降は工事着手に向け、事業説明会や工事説明会などを開く。