野球の国際大会「プレミア12」が24日閉幕した。連覇を目指す日本代表は決勝で惜しくも敗れたが、選手たちの健闘をたたえたい▼今年も残り1カ月余り。スポーツ界を振り返ると、野球のニュースがひときわ目立った年のように感じる。米・大リーグでは、ドジャースの大谷翔平選手が打者に専念したレギュラーシーズンで史上初の「ホームラン50本、50盗塁」を達成。チームもワールドシリーズ制覇を果たし、世界中の野球ファンを熱狂させた▼国内ではプロ野球のクライマックスシリーズ(CS)に進出したセ・リーグ3位のDeNAが下克上を果たし、日本シリーズでパ・リーグ1位のソフトバンクを破り、26年ぶりの日本一に輝いた。シーズン3位から頂点に立ったチームは2010年のロッテ以来2回目。手に汗を握る劇的なゲームが展開された▼勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし--。プロ野球で選手・監督として活躍された故野村克也氏の名言とされ、敗北には必然的な要因があるという▼「勝負は時の運」とも言われる。不思議の勝ちも慢心せず、努力した者が手にできるのは間違いなかろう。