ひと/国土交通省官房官庁営繕部長・佐藤由美氏、設計・建設業界はパートナー

2024年11月27日 人事・動静 [2面]

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 最大の使命を「いかなる時も官庁施設が機能し続けること」と語り、建物の老朽化を踏まえ必要な防災対策に取り組む考えを示す。そのためにも「持続可能な建設業の実現が急務」と指摘。「設計事務所や建設業者はパートナーのような関係。協力し合い、持続可能な形で事業を実施することが必要だ」と強調する。
 4月に適用した時間外労働の上限規制などに対応し、適正な工期と予定価格の設定に注力。地方自治体などと連携し、週休2日推進や猛暑日考慮の観点で公共建築工事全般の工期設定に関する「基本的考え方」を来年改定する。規制適用から半年を超えたが「業界の努力で大きな混乱なく事業が進んでいる」と認識するも「まだ気が付いていない課題などを現場の実情を聞くことで把握し、取り組みにフィードバックしていきたい」と話す。
 建築現場の生産性向上のため、発注者が主導する形でBIMの活用を促進する。直轄事業の設計業務で作成するBIMデータの入力情報や設定内容の目安となる「営繕BIMモデル」を10月に公開。「実務的なレベルで参考になる情報を発信し、BIM活用のすそ野を広げていく」。
 (さとう・ゆみ)1992年東京工業大学理工学研究科建築学専攻修了、93年建設省(現国土交通省)入省。官房官庁営繕部整備課建築技術調整室長、官房官庁営繕部計画課長を経て7月1日付で現職。東京都出身、57歳。