兵庫県は「県営青木高層鉄筋住宅PFI建替事業」の事業者を選ぶ一般競争入札(WTO対象、総合評価方式)で、柄谷工務店を代表とする8者グループを落札者に決めた。県営住宅再編にPFI手法を初めて導入する。既存の県営青木高層・鉄筋住宅(神戸市東灘区北青木1の72の1、敷地1万6555平方メートル)の現在地建て替えに加えて、余剰地に分譲マンションを整備。2029年度の完成を目指す。
落札者グループは代表企業のほか市浦ハウジング&プランニング、礎、田村組、TC神鋼不動産サービス、アクロスコーポレイション、阪急阪神不動産、TC神鋼不動産で構成。それぞれ▽建設▽設計▽監理▽移転支援▽余剰地活用-の各業務を担当する。
既存の青木高層・鉄筋住宅は1~7号棟(SRC造11階建て2棟、RC造5階建て5棟、計314戸)が立地。建設後40~46年が経過している。
提案コンセプトは「地域に根ざした暮らしの出発地」。東側敷地にRC造11階建ての県営住宅を南北方向に整備する。住戸数は285戸で、うちファミリー用が263戸。県営住宅部分の整備費は約72億円。
県営住宅の集約で西側敷地に生じる余剰地(約8510平方メートル)は事業者に売却する。若者や子育て世代向けの分譲マンション(288戸)を県営住宅と向かい合う形で整備。1階に地域住民がビジネススキルなどを学ぶ「地域で働くがっこう」やカフェなどを設置する。売却額は約21億円。
県営住宅とマンションの間に南北動線となるプロムナードを配置。北側敷地にイベント広場も設ける。
25年3月議会の承認を経て契約を結び、設計に着手する。26年度に着工し、28年度に新たな県営住宅への入居を開始。工事完了後、30年度に事業者が余剰地活用を開始する。