東京都が港区で施行する「泉岳寺駅地区第二種市街地再開発事業」が1日、新築着工を迎えた。都営地下鉄・京浜急行電鉄泉岳寺駅の東側に、延べ約11・2万平方メートルの複合施設を整備する事業。基本設計を久米設計、実施設計と施工は鹿島が担当している。2031年度の竣工を目指す。
特定建築者として事業を推進している東急不動産と京浜急行電鉄が28日発表した。計画地は高輪2の81の1ほか(敷地面積8490平方メートル)。JR東日本が開発する高輪ゲートウェイシティーに近接する。建物はRC・SRC・S造地下3階地上30階建て延べ11万2300平方メートルの規模。高さは約145メートル。
地下には泉岳寺駅の駅施設や出入り口を設ける。建物を経由して高輪ゲートウェイシティーやJR高輪ゲートウェイ駅、品川駅などとデッキで接続する。低層部には店舗やオフィスを入れ、中層部以上は住宅となる。環境負荷低減にも配慮し、オフィス部分はZEH Oriented、住宅部分はZEH-M(マンション)Orientedの水準を達成する。
特定建築者の2社は「国内外の旅行者、来街者をお迎えする駅直結の新たなランドマークを創出していく」としている。
事業は本来、24年度末の完了を予定していたが、特定建築者の選定が遅れて27年度末に延期。その後埋蔵文化財調査が長引き、再度延長した経緯がある。約660億円を見込んでいた事業費は約821億円に膨らんでいる。