国土交通省と建設産業人材確保・育成推進協議会(人材協、事務局・建設業振興基金)は2日、第3回「建設人材育成優良企業表彰」の表彰式を東京・霞が関の同省で開いた。高橋克法国交副大臣が国交大臣賞に輝いた▽小川工業(埼玉県)▽大和ハウス工業(大阪府)▽東亜グラウト工業(東京都)▽ヤマグチ(鹿児島県)-の4社に表彰状と記念品を手渡し、栄誉をたたえた=写真。
建設キャリアアップシステム(CCUS)を活用した処遇改善や働き方改革などの先進的な取り組みを評価した。式典後には担い手の確保・育成の現状について懇談し、高橋副大臣は「有望な担い手をこの国のためにも確保していかなければならない。皆さまの取り組みを多くの経営者に知ってもらいたい」と述べた。
小川工業の小川貢三郎社長は、技能者の就業履歴を全現場で蓄積できる体制を整備し「現場の職人が評価されることが重要」と話した。男性社員の育休を推奨し、取得率100%を達成したことも紹介した。大和ハウス工業の河野宏上席執行役員技術統括本部副本部長は、全国で稼働する膨大な現場数に対応するためスマートフォンによる顔認証の入退場システムを展開していると説明。CCUSレベル別の手当を給付する社内制度「技能者キャリアアップ制度」を2025年4月に創設するとした。
東亜グラウト工業の山口乃理夫社長は、労使の協力で働き方改革を推進し、講話や研修などで「キャリア自律」を支援していると紹介。若手社員などの意欲を引き出すことで個人のステップアップや離職率の低下などにつながっているとした。ヤマグチの山口克典代表取締役は、建設ディレクターを積極的に導入し社内の業務効率化を進めるとともに、社員の資格取得費用を負担したりブランディングに取り組んだりして「建設業の魅力向上につなげていく」と話した。