近畿大/医学部・病院跡開発、大和ハウス工業が候補

2024年12月11日 工事・計画 [8面]

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 近畿大学は10日、大阪府大阪狭山市にある近畿大学医学部と病院の移転後の跡地開発に向けて、大和ハウス工業を開発事業者候補として選定したと発表した。今後、地域住民(大阪狭山市)の意見を踏まえつつ、具体的な開発計画に向けた協議や関係所管との調整を進める。隣接する狭山ニュータウン地区の再生や市域全体の活性化につながる土地利用が期待される。
 大阪狭山市が2023年3月にまとめた「近畿大学病院等跡地活用官民連携方策検討調査報告書」によると、跡地開発は全体を「住宅系」「福祉系」「商業系」の三つのゾーンに分け、それぞれ必要な導入機能を検討。保存樹林を生かした公園整備や商業施設の立地、交通アクセスの改善、災害時応援部隊受け入れ拠点の整備といった計画を盛り込んだ。
 跡地は大野東に位置する約26ヘクタール(都市計画道路狭山河内長野線の計画区域を含む)の広大なエリアとなる。用途地域は第1種中高層住居専用地域、準防火地域。跡地を地域の発展に寄与する拠点として再生することを目指し、官民連携の方策を模索してきた。
 狭山河内長野線は延長約350メートル区間(幅員13メートル)が未整備となっている。
 今後は、25年11月に医学部と病院が堺市泉ケ丘駅前地区に移転。その後、跡地開発が本格的に始動する見込み。以降、土地利用計画に基づき住宅や商業施設、文化交流施設、公園などの整備が段階的に進むと見られる。
 跡地での地域医療を担う後継病院にはせいわ会が選定されており、移転後の早期開業が求められている。
 22~23年に市が実施したサウンディング(対話)調査では9者に個別ヒアリングを実施。うち6者から土地利用提案を得ていた。