土木学会、建築学会/タスクフォース進捗で会見、議論の深まり確認

2024年12月11日 行政・団体 [1面]

文字サイズ

 土木学会(佐々木葉会長)、日本建築学会(竹内徹会長)の両学会幹部は9日、東京都内で会見した。2021年に設置した土木・建築タスクフォース(TF)の取り組みについて、竹内会長は「互いの分野への理解が一段と深まった」と強調。さまざまな課題への議論も進んでおり、「共通課題に向けてさらにTFの取り組みを進めていきたい」と成果を報告した。
 両学会は21年に協力に関する覚書(MOU)を交換。TFの下にワーキンググループ(WG)を設置して複数の分野で議論し、毎年活動内容を報告している。同日に「第3回合同シンポジウム 土木・建築 連携の深化を求めて」を開催。総括会見には竹内会長のほか、TF委員長を務める今村文彦(土木学会副会長)、広田直行(建築学会副会長)両氏らが出席した。
 竹内会長はTFの方向性について「土木と建築はそれぞれに攻める分野が公共や民間と異なったり、逆に共通するところもある。共同でできる点で足並みをそろえるのが理想的な目標だ」と展望した。25年度以降の課題について広田委員長は「例えば構造設計基本WGでは両学会の技術的可能性の課題が明らかになり、意見交換では生成AIの方向性も課題として浮上した」と述べた。
 竹内会長はアンケートWGが報告した若い世代の海外志向の低下傾向にも言及。「海外から働き手を積極的に受け入れるのも一つの交流になる。ダイバーシティーを確保し、海外からの人材導入は日本人の働き手の意識改革を進める上で大きなテーマだ」と意欲を見せた。今村委員長は「グローバルは課題の一つ。ダイバーシティーも柱に検討していきたい」との考えを示した。