建設技能人材機構(JAC、三野輪賢二理事長)は、労働安全衛生法(安衛法)で特定の業務などに従事するため修了が必要とされる「技能講習」について、特定技能外国人などが無料で受講できる新たな支援事業を立ち上げた。一部の登録教習機関の協力を得てJAC専用の講習枠を設定。各言語の通訳を配置し、母国語での受講を可能とする。初弾として建設機械関係の教習を手掛けるPCTと協力し、5科目で専用枠を設け2025年1月に講習を始める。
JACは安衛法に基づく安全衛生教育を母国語で無償提供する「オンライン特別教育」を7月に開始。特定技能外国人の受け入れ企業などから、さらに上位の技能講習への支援ニーズがあったことから準備を進め、特に需要が高い運転系の科目を手掛ける登録教習機関と協議を重ねてきた。PCTに加え、25年4月以降はキャタピラー教習所でも専用枠を設ける方向で調整している。
PCTでは全国11拠点(宮城、群馬、栃木、水戸、埼玉、山梨、愛知、大阪、京都、岡山、福岡)の教習所・出張所で専用枠を設ける。▽車両系建設機械(整地・運搬・積込・掘削用)運転▽玉掛け▽小型移動式クレーン運転▽フォークリフト運転▽高所作業車運転-の5科目の技能講習に対応する。通訳を配置するのはベトナム語とインドネシア語で、対応言語は拠点ごとに異なる。
25年1~3月開講分の受講申し込みの受け付けを16日に開始した。申し込み手続きはすべてJACの技能講習専用ホームページ(http://anzen.jac-skill.or.jp/ginou/)で行う。1~3月開講分は計20枠を設定し、定員は各10人。先着順で募集する。特定技能外国人の受け入れ負担金を支払う企業であれば技能実習生も受講できる。
25年度から英語、中国語、カンボジア語を加えた計5言語に対応できるよう準備を進める。科目ごとのニーズも把握しながら開催地域や開講数を拡大していく。