国土交通省は地方自治体など公共発注機関を対象とした公共工事入札契約適正化法(入契法)に基づく工事の実態調査(入契調査)の結果を18日に公表した。適正な対応が遅れがちな市区町村の実態を見ると、ダンピング対策の運用基準を適正に設定しているのは低入札価格調査基準価格で94団体増えて80・3%(前年調査70・4%)、最低制限価格で147団体増えて73・5%(64・5%)だった。週休2日工事の実施団体と、スライド条項(単品・インフレ)の運用基準の策定団体は、いずれも5割を超えた。
調査は総務、財務両省との共同実施で、国や特殊法人、自治体の計1928団体に7月1日(一部項目は2023年度末)時点の対応状況を聴取した。調査結果を各団体と共有し、年度末に向け働き掛けを強める。
調査基準価格と最低制限価格は、最新の中央公共工事契約制度運営連絡協議会(中央公契連)モデルやそれ以上の水準の独自モデルを算定式に採用している割合を集計した。都道府県は入札額に応じた変動制の調査基準価格を導入する広島県を除き、中央公契連モデル以上の基準を運用している。
ほかに市区町村では週休2日工事の実施割合が、新たに571団体が導入したことで55・2%(前年調査22・0%)に増えた。スライド条項の運用基準の策定割合は単品で56・5%(46・2%)、インフレで54・3%(44・3%)に増加し、それぞれ172団体が新たに策定した。
工期設定で休日を考慮しているのは271団体増えて72・2%(56・5%)。猛暑日を考慮しているのは14・9%と低水準だった。猛暑日の考慮は今回の調査から新たに聞いており、市区町村以外は国(省庁など)が26・3%、特殊法人などが34・7%、都道府県が83・0%、政令市が85・0%だった。
今回は情報共有システム(ASP)の導入状況も新たに聞き、国が26・3%、特殊法人などが9・1%、都道府県が100%、政令市が95・0%、市区町村が10・3%だった。