忘年会や新年会をやるか、やらないか、行くか、行かないか--。頭を悩ませている人がいるのではないか。かつては参加が当然という雰囲気で、断るには口実が要るのが前提だったように思う▼時代は大きく変わった。東京商工リサーチが今月実施した調査によれば、今シーズンに忘・新年会を実施する企業は60%にとどまった。コロナ禍前は実施していたものの実施しないケースも多い。最多の理由は「開催ニーズが高くない」(65%)▼会社によっては懇親会費用を補助するケースもあるだろう。一部の人だけに恩恵があるようでは不公平感が募る。とはいえ、コロナ禍を経て、雑談を含めたコミュニケーションの大切さを実感した人も多いはず▼ある企業は数十年ぶりに社員旅行を企画したところ、100人規模が参加したそう。フレックス制度を導入している企業は、社内でコミュニケーションを取る時間帯をあえて設定し、交流や議論を呼び掛けた▼交流の押し付けもあまりに素っ気ない状況も、どちらも行き過ぎると弊害がある。価値観が変わる時代だからこそ、組織と従業員が歩み寄って良い案配を探りたい。