関東整備局/湯西川ダム(栃木県日光市)で水力発電設置・運営事業者を募集

2024年12月23日 行政・団体 [5面]

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 関東地方整備局は治水機能の強化と水力発電の促進を両立するハイブリッドダムの整備に関連し、湯西川ダム(栃木県日光市)に発電設備を設置・運営する事業者の募集手続きを20日に始めた。プロポーザルの参加申請は2025年3月14日、企画提案書の提出を同4月11日~7月25日に鬼怒川ダム統合管理事務所管理課宛てにメールで受け付ける。10月に事業候補者を特定する。
 国直轄ダムで民間事業者を募り、発電設備を増設するのは国内で初めて。募集要項は同事務所のホームページで入手できる。事業者には湯西川ダムの放流水を活用した発電施設の設置・運営に向けた▽事業計画▽資金計画▽電気工作物などの設計・施工-などを任せる。事業予定地は下流右岸付近=写真(報道発表資料から)。
 参加資格は単体か複数事業者で構成する連合体。ダム水路主任技術者や電気主任技術者を確保でき、同種か類似の事業実績がある事業者など。
 再生可能エネルギーの活用を目指し、国土交通省は湯西川と野村(愛媛県)、尾原(島根県)の既設3カ所で民間事業者の参画方法などのケーススタディーを検討していた。鬼怒川ダム統合管理事務所の担当者は、発電設備の増設によって「最大1600世帯分(約2000キロワット)を賄えるだけのエネルギー量が期待できる」とコメントしている。
 湯西川ダムは12年3月に完成した重力式コンクリートダム。洪水調整や流水の正常な機能維持、都市用水の利用を目的に整備された。堤高119メートル、総貯水容量は7500万トンに上る。