東京都交通局は地下鉄のバリアフリー化をさらに推し進める。2025年度予算原案に24年度予算(44億91百万円)の倍以上の規模となる119億95百万円の関連経費を計上した。駅にエレベーターを設置するほか、年齢や障害の有無にかかわらず誰もが使いやすい「人にやさしい車両」を導入する。乗客がより快適で円滑に移動できる公共交通の実現を目指す。
都交通局によると、地下鉄車両の更新数が増えたことで予算額も増加した。具体的な車両数は現在調整中だ。新たな車両は内部にフリースペースを設置するほか、低い位置につり手や荷棚を取り付ける。優先席に縦手すりを追加。車内液晶モニターは多言語に対応する。エレベーターの設置対象駅や基数は「現在調整中」(都交通局担当者)。
バリアフリー化を進める中で課題も見えてきた。例えばエレベーターを設置する場合、駅の中で整備効果が高い場所を対象にする。ただ設置現場のほとんどが「整備に必要な空間の確保が難しい」(同)状況だ。解決に向けて検討を続けている。
都交通局は現行の「経営計画2022」(22~24年度)で、期間中に人にやさしい車両を合計16編成導入する計画だ。対象は三田線(4編成)、新宿線(4編成)、大江戸線(8編成)。バリアフリールートを充実するために必要なエレベーターは期間中に6駅に新設する。
新たな経営計画の期間に入る25年度も、駅や車両、バス停留所の施設・設備の整備に計画的に取り組む方針。新たな技術を活用しながら移動サポートなどのサービスをより効果的に提供する考えだ。