国土交通省は、公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)の運用指針などに沿った公共発注者の取り組みを見える化する「全国統一指標」の刷新の方向性を示した。施工時期の平準化の指標は、4~6月の閑散期だけでなく繁忙期を解消する「ピークカット」も把握する方向で検討する。週休2日対象工事の実施状況で判断している適正な工期設定の指標も見直す。現行は週休2日を前提に発注したかどうかの「公告ベース」の指標となっているが、新たな指標では週休2日が最終的に達成されたかどうかの「実績ベース」の目標を設定する。
新たに「第3次全国統一指標」として2025年度以降に取り組む目標を設定する。近く改定される改正品確法の運用指針や、現行の「新・全国統一指標」の進捗状況を踏まえ検討する。現行指標は24年度を最終目標に据えており、このほど23年度の取り組み結果をまとめ公表した。
施工時期の平準化は建設業界から繁忙期の解消を望む声が大きいため、ピークカットを新たに指標化し公共発注者に周知する。現行指標はコリンズ(工事実績情報データベース)登録データから、4~6月の平均稼働件数を年度の平均稼働件数で割って平準化率を算出。国と都道府県、市区町村の発注工事の23年度実績値は全国平均0・72で、22年度と同水準だった。
週休2日対象工事の実施状況は現行指標で、災害復旧工事や維持工事を除いた件数のうち、週休2日を前提とした工期設定や経費補正の設定などで公告を行った件数の割合で把握している。すべての地域で24年度の完全実施が目標で、都道府県と政令市の発注工事を対象とする都道府県域単位の23年度実績値を見ると37都県域で既に完全実施を達成している。
こうした状況を踏まえ新指標では実際に達成できた工事件数を把握する目標に切り替える。発注者としては週休2日を前提に当初工期を設定したとしても、週休2日を実際に確保できるよう適切な工程管理が求められる。その上で国交省直轄工事では月単位の週休2日や土日休みの完全週休2日の実施を検討していく。
現行指標では工事と業務の両方でダンピング対策を低入札価格調査基準と最低制限価格の設定状況から把握。工事は年度の契約件数を対策実施件数で割った数値が23年度に0・93で、22年度から微増だった。