ホンダと日産自動車が共同持ち株会社設立による経営統合を協議することで基本合意した。2026年8月に東京証券取引所プライム市場への上場を目指すという▼三菱自動車も2社の協業に参画するか25年1月末をめどに結論を出す。3社統合が実現すれば国内外での販売台数は800万台を超え、トヨタ自動車、独フォルクスワーゲン(VW)グループに次ぐ世界3位の連合となる▼背景にあるのは強い危機感だ。自動車産業は電気自動車(EV)と自動運転の技術開発や実用化の進展に伴い、100年に1度の変革期といわれる。経営統合は先行する海外勢に追い付き、追い越すために必然だったとの見方もある▼3社が経営統合に見いだすのはシナジー(相乗効果)の最大化。自動車産業を取り巻く環境の劇的な変化に対応し、より高い価値を提供していくことに意欲を示す▼建設産業でも厳しい経営環境下でM&A(企業合併・買収)やアライアンスによるシナジーを得ようと検討する企業は少なくない。自動車産業の歴史的な大型統合は、新たな時代へ日本のものづくり産業が大きく変わっていくかもしれないと予感させる。