回転窓/地方への誘客がカギ

2024年12月26日 論説・コラム [1面]

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 年末年始の休みを前に、早くも国際空港への直行特急が停車する最寄り駅では大きなキャリーバッグを転がす人が目立ってきた。2024~25年は休日の並びがよく、最大で9連休も見込める。これは19~20年以来の長い休みとなる▼24年は訪日客数が過去最多を更新した。リピーターの多いアジア圏に加え、円安による割安感から欧米やオーストラリアの客数が増加。24年1~11月の累計はコロナ禍前の19年同期比で米国は57・4%、オーストラリアは47・1%それぞれ増えた▼訪問先は大都市圏に偏っている。観光庁によると23年の外国人延べ宿泊者数のうち、東京や京都、兵庫、愛知など8都府県に宿泊した外国人の割合は、全体の7割を占めた▼客足が大都市圏に集中したこともあり、東京や大阪、京都では宿泊費が高騰している。訪日客増のあおりを受け、日本人観光客が日帰りや大都市圏周辺での宿泊を余儀なくされているという▼政府が目指す「観光立国」の実現には地方への誘客がカギを握る。自然や食など豊富な観光資源がある地方を訪ねる。まだ決めかねている年末年始の過ごし方の一つとして考えたい。

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