学研高山地区南エリア/区画整理準備組合が発足、事業協力者にフジタ選定

2024年12月27日 工事・計画 [8面]

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 奈良県生駒市の学研高山地区南エリアまちづくり協議会は25日、地権者の約8割から仮同意を取得したのを受け、土地区画整理準備組合を設立した。関西文化学術研究都市の中央に位置する高山地区第2工区(総面積288ヘクタール)のうち、南エリア(約47ヘクタール)で施設用地などを開発する。設立総会で規約案や役員の選任を承認し、事業協力者としてフジタを選定したと報告した。
 第2工区は面積が広いため、南エリアを先行的に開発することを決め、2023年5月に同協議会が発足した。区域内は9割以上が山林や田畑などで占め、6割以上が市有地。地権者は共有地を1として135人になり、80・7%に当たる109人から仮同意を受けた。
 設立総会には地権者や市の関係者が出席。役員選任後の役員会で同協議会の山本利昭会長を理事長に選出した。山本理事長は「一歩一歩前に進め、誇れる生駒の新しい拠点にしたい」と話した。
 事業協力者は事業計画の立案や地権者の合意形成に協力する、第2工区の事業アドバイザーを務める4者を対象に提案を募集し、応募のあった2者の提案を学識者らでつくる審査会が評価。事業協力者としての積極的な取り組み姿勢や高山地区全体を考えた提案などと評価し、フジタを候補者に選定。役員会で同社を事業協力者にすることを決めた。
 同社の提案では、高山地区の自然や緑を活用したまちづくりに取り組む。公園や緑地を各所に配置し、幅員18メートルの都市計画道路や幅員9~12メートルの幹線道路を整備。学研都市にふさわしい街区を開発する。区域内は▽都市機能集積▽文化学術研究▽都市型産業▽住宅▽研究支援・研究型産業▽農地-の六つのゾーンを設ける。
 市有地の活用方策も提案し、1カ所に集約して自然を体験できる施設や地域交流施設を整備し、農業の研究・開発フィールドを設ける。脱炭素型のまちづくりを目指し、蓄電システムや立地施設に太陽光パネルの設置を検討する。
 今後は具体的な事業計画を検討し、25年度に業務代行予定者を選定。地権者の本同意を得て事業認可を申請し、認可後、本組合を設立する。順調にいけば26年度に設立する見通し。業務代行予定者と業務代行契約を結び、換地設計や実施設計を進める。