兵庫県西宮市は「阪神西宮駅北地区公民連携事業」の概要を公表した。事業区域は阪神電鉄西宮駅北側の敷地約2ヘクタール(和上町ほか)。民間主体で土地区画整理事業と市街地再開発を一体的に行う。駅前空間の再編で回遊性を創出するとともに、約40階建ての再開発ビルや、市立図書館などで構成する複合ビルを整備する。2025年10月に土地区画整理の施行認可を受け、建築物の設計・施工者を内定する予定だ。31年度の全体完成を目指す。
土地区画整理は阪神電気鉄道と大阪ガス都市開発による2者グループが施行を予定。事業区域は市有地のほか両社の所有地で構成する。事業では区域内を東西に貫く2本の区画道路を廃止し、土地の一体利用が可能な大街区を創出。バスロータリーの再編や歩行者動線の確保で交通結節機能を改善する。
土地区画整理に伴い、市が土地の高度利用に向けて地区計画を決定し、容積率を700%まで緩和。敷地内にある現和上公園を区域変更し、2カ所の広場・公園を新設する。
市街地再開発は大阪ガス都市開発と阪急阪神不動産、NTT都市開発による3者グループが施行を予定。再開発の施行面積は事業区域のうち現バス待機場・駐車場部分の約6000平方メートル。
阪神西宮駅側の敷地南部分に5階建て延べ約7500平方メートルの複合施設「図書館棟」を整備。1階にバスロータリー、2~3階に民間施設、2~5階に図書館が入る。図書館の専有面積は約4700平方メートル。建物は空調負荷の低減や再生可能エネルギーの活用などで環境配慮を図り、ZEB Readyの取得を目指す。
敷地北部分に図書館棟と接する形で40階建て前後の「住宅棟」を整備する。両棟は阪神西宮駅直上の駅ビル「エビスタ西宮」と2階レベルでデッキ接続し、駅アクセスや回遊性の向上を図る。
土地区画整理は25年度に事業計画の作成を経て着工、市で地区計画を決定する。市街地再開発は25~26年度に基本設計と事業計画作成、26~27年度に実施設計と権利変換計画作成を進め、28~31年度に工事を行う予定。