東京都は低地を流れる河川の高潮対策をまとめた「河川における高潮対策整備方針(仮称)」の素案を26日に公表した。気候変動に伴う海面上昇などを踏まえ、河川ごとの施設整備内容・時期を記載した。目黒川、古川、海老取川、石神井川を最も優先度が高い河川に位置付け、防潮堤のかさ上げに取り組む。対策必要時期は2040年ごろとしている。
呑川と旧江戸川(上流側)の河川施設整備も急ぐ。50年ごろに呑川の防潮堤をかさ上げし、旧江戸川に対してはス-パー堤防を建設する。
80年ごろまでに新河岸川のほか、神田川、妙見島で防潮堤の高さを引き上げ、日本橋川では水門を建設する。2100年以降に隅田川、中川、旧江戸川(下流側)でスーパー堤防整備を促進する。
大半が満潮面以下の地盤高の地域を流れる江東内部河川に対しては、気候変動を考慮した降雨にも対応する。基本的には現在の排水機場をそのまま活用。ただ、海面上昇により満潮時に水門を閉鎖する必要があることから、水門に閘門機能を追加する。
隅田川沿いに設置してある「隅田川テラス」は今後満潮時に浸水する可能性があるため、現在より50センチかさ上げする。