政府は2025年度予算案を24年12月27日に決定した。一般会計の総額は115兆5415億円で、うち公共事業関係費は前年度を30億円上回る6兆0858億円を確保した。防災・減災、国土強靱化関係は4兆0706億円を配分。24年度補正予算で確保した公共事業関係費2兆3506億円と一体で切れ目なく事業執行に当たる。=2面に国交省の部局別概要
国土交通省分は一般会計の総額が前年度を9億円下回る5兆9528億円。うち公共事業関係費は前年度を148億円下回る5兆2753億円となった。
今回の予算編成から災害復旧関係の運用・配分を見直し、計上額を大幅に減らしたことが影響した。初動対応に必要な額は確保しつつ「実際に使う額を見定める運用に(予算の枠取りを)精緻化・柔軟化する」(財務省主計局)との狙いがある。
内閣府が「新しい地方経済・生活環境創生交付金」として公共事業関係費598億円を計上しており、この中で国交省関係のインフラ整備事業も対象になるとしている。これ以外に国交省関係の防災・安全交付金は8470億円(前年度比2・7%減)、社会資本整備総合交付金は4874億円(3・8%減)を計上し、地方自治体の取り組みを支援する。
能登半島地震などの教訓を踏まえ25年度に防災対策事業のメニューを拡充する。上下水道の急所施設の耐震化や、緊急輸送道路の盛り土のり面の防災対策を支援する個別補助事業を創設。地滑り現場の再度災害防止を目的とする直轄の対策事業も始める。インフラの老朽化対策も前年度と同規模で推進。管理組合や自治体による先導的な老朽マンション対策を支援する新規事業も立ち上げる。
施工時期の平準化などを目的とした国庫債務負担行為(国債)は、国交省分で2カ年以上の国債7844億円、当該年度の支出がゼロで年度内に発注できるゼロ国債1697億円、5か年加速化対策に基づく事業などの執行を促進する事業加速円滑化国債1963億円を設定した。
独立行政法人などに充てる財政投融資には総額で1兆3292億円(36・1%減)を計上した。
公共事業関係費の府省別内訳(国交省を除く)は次の通り。
▽農林水産省=6786億円▽経済産業省=22億円▽環境省=493億円▽内閣府=624億円。