静岡県湖西市/次世代型バイオガス発酵システム実証実験、小規模処理場向け技術実現へ

2025年1月6日 行政・団体 [7面]

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 静岡県湖西市は、下水汚泥や地域のバイオマス資源を活用して新たな資源・エネルギーを創出する「次世代型バイオガス発酵システム」の実証実験を湖西浄化センターで行う。バイオガスの生成技術や農業利用が可能な高品位濃縮バイオ液肥の製造技術を検証する。期間は10日から2月28日まで。
 下水道分野では、温室効果ガス排出量削減に向け嫌気性消化技術による汚泥のエネルギー化が注目されているが、小規模な自治体では資源量の確保や事業効果などの面で課題があり取り組みが遅れている。
 このため市は2024年4月、豊橋技術科学大学と同大学発のベンチャー企業である豊橋バイオマスソリューションズの3者で小規模処理場向けの高効率の次世代型メタン発酵システムを実現するため、産学官共同で実証実験に取り組む基本合意書を締結し、これまで準備を進めていた。実証実験は国土交通省の下水道応用研究委託費を活用して行う。
 実験は、下水汚泥とし尿・浄化槽汚泥、豚糞を原料に微生物を利用した発酵過程で発生するアンモニア等を除去する技術を活用し、地域バイオマスからのバイオガス生成技術を検証する。ガス生成後に排出される消化液(残さ)には窒素やリンなどの肥料成分が多く含まれていることから、消化液から粒子状物質を除去し滅菌処理を行う新技術を活用し、農業利用が可能な高品位濃縮バイオ液肥を製造する技術も検証する。