年始から地域建設業が奮闘/青森県で豪雪災害の除排雪、岩手県では鳥インフル対応急ぐ

2025年1月7日 論説・コラム [6面]

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 新年の幕が開けてから1週間、東北の建設業界が「地域の守り手」としての役割を果たし続けている。豪雪地帯の青森県では、災害級の降雪に伴い道路の維持に向けた除排雪に対応。岩手県でも高病原性鳥インフルエンザの埋却作業に当たるなど、発生する時と場所を問わない自然災害の対応に尽力している。

 □資機材確保など全県連携□
 昨年末からの断続的な降雪で青森県内では一部地域で災害級の大雪となり、地域の守り手として地元建設業が奮闘している。3日には青森市の気象庁観測点で112センチ(平年比320%)、弘前市では104センチ(同359%)の積雪深を記録。交通障害や飛行機の欠航、鉄道の運休、倒木で延べ約7100戸が停電するなど市民生活に多大な影響が出た。夜間作業で間に合わない部分は日中に対応するなど、地域の建設会社は総力を挙げて除排雪作業などに当たっている。
 青森県内では青森や弘前などの指定観測点で警戒積雪深を3日時点で超えた。2024年12月の積雪は酸ケ湯357センチ、弘前84センチ、碇ケ関85センチなどで観測上最深を記録。降雪が年始にかけて継続している状況を踏まえ、県は4日に12年ぶりになる「豪雪対策本部」を設置した。対策本部長の宮下宗一郎知事は「地域によっては観測史上最大級の積雪深を記録する豪雪災害になっている」と述べ、予算を確保し連携体制の構築を主導すると強調した。
 青森県建設業協会(鹿内雄二会長)は県土整備部と締結した「大規模災害時における応急対策業務に関する協定」に基づき、除雪JVが人員やダンプトラックなど資機材の確保に奔走している。比較的降雪が少ない地域の建設会社に人員や資機材の融通を呼び掛けるなど市町村の枠を超えて対応。永澤親兼専務理事は「記録的な豪雪災害だ。県域、協会全体で全力を挙げて対応していく」と話している。
 県では県管理の国道と県道でパトロールを強化し、除排雪を頻繁に実施するなど24時間体制で全庁対応している。今冬から稼働開始した「排雪予定マップ」ではダンプカーの効率的な運用とともに一般市民への広報を図っている。東北地方整備局青森河川国道事務所も4日に災害対策支部(警戒体制)に移行。雪害に備え、県道管理者などとの情報連絡や国道でのパトロールを強化している。