岐阜市/中央卸売市場再整備の基本計画修正版案公表、建替から長寿命化に転換

2025年1月7日 工事・計画 [12面]

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 岐阜市は、「岐阜市中央卸売市場再整備事業基本計画」の修正案を公表した。従来計画で建て替えを示していた青果部門、水産物部門の卸売棟について、現施設を長寿命化する計画に見直した。建設工事費が高騰する中、場内業者から使用料の引き上げは極力抑えてほしいとする要望があったためコストを抑制する方向に転換した。本年度中に整備内容の検討を完了し2025、26年度で事業者選定手続きを進める。設計・工事期間は26~33年度を想定する。
 市中央卸売市場(茜部新所2の5)は1971年7月に開場した。12万3952平方メートルの敷地に総延べ7万2930平方メートルの施設がある。
 市は22年3月に再整備基本計画を策定し、22~25年度をめどに事業者選定や設計を進める予定だったが、物価上昇など社会・経済状況の変化を踏まえ、実情に即した効率的・効果的な事業とするため、再度整備内容を検討していた。
 修正案では、再整備の基本方針として優先度順に▽場内物流の効率化・最適化▽衛生管理環境の確保▽温度管理環境の確保▽災害・環境対策を通じた社会的な役割の発揮▽余剰スペース活用などを通じた市場経営への寄与▽付加価値の創出-を掲げた。卸売棟、冷蔵庫棟の長寿命化や改修、屋根付き卸売り荷さばきスペースの新設、仲卸店舗の配置見直しによる面積の最適化・適正化などを行う。現状延べ5万4677平方メートルの主要施設は再整備後、約4万4600平方メートルとなる見込み。
 事業手法は官民連携手法の導入を視野に入れて今後選定する。施設規模、配置の見直しで余剰スペースが創出される場合は、関心のある事業者の参画意向などを確認しながら活用方法を検討する。