建築家・原広司氏が死去/数多くの象徴的作品、代表作に京都駅ビルなど

2025年1月7日 人事・動静 [1面]

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 建築家で東京大学名誉教授の原広司(はら・ひろし)氏が3日、老衰で亡くなった。88歳だった。葬儀は近親者で行う。喪主は妻の若菜(わかな)さん。後日お別れの会を開く予定。代表作は、ランドマーク的建築で世界的にも有名な京都駅ビル(京都市下京区)、梅田スカイビル(大阪市北区)などがある。個人住宅や美術館、教育施設、高層建築、ドーム建築など幅広く設計を手掛けた。
 1936年神奈川県生まれ、64年東大大学院数物系研究科建築学専攻博士課程修了(工学博士)。東大生産技術研究所で助教授、教授を務めた。97年に退官し、名誉教授となった。
 70年からアトリエ・ファイ建築研究所と協働を開始し、99年に原広司+アトリエ・ファイ建築研究所に改称した。大学で教壇に立ちながら設計活動を行い、山本理顕氏、隈研吾氏など多数の建築家を輩出した。東大生産技術研究所で構えた研究室での集落調査から、家族やコミュニティーを大切にする建築を導いた。
 主な受賞は、日本建築学会賞、村野藤吾賞、BCS賞など。
 2017年11月の日本建築学会近畿支部講演会では「建築での素晴らしい間をつくるのが目標」と話していた。