積水化学工業は6日、ペロブスカイト太陽電池の設計や製造、販売を行う新会社「積水ソーラーフィルム」を設立した。シャープの本社工場(堺市堺区)の建物や電源設備、冷却設備なども取得した。100メガワット製造ラインの稼働を目指し設備投資を行い、2027年4月に工場を稼働。量産化に乗り出す。段階的に増強投資を行い、30年にはギガワット級の製造ライン構築を目指す。海外展開も視野に需要の獲得を狙う。
積水ソーラーフィルムは、日本政策投資銀行(政投銀)と共同で運営する。資本金は1億円で、出資比率は積水化学工業が86%、政投銀が14%。社長には上脇太積水化学工業取締役兼専務執行役員が就いた。所在地は大阪市北区西天満2の4の4。量産化に向けた投資額は3145億円で、その半分に当たる1572億5000万円を国からの補助金で賄う。
積水化学工業は現有設備で生産したペロブスカイト太陽電池の販売を25年度に開始する。ペロブスカイト太陽電池の軽量で柔軟な特徴を生かし、耐荷重性の低い屋根や公共部門(災害時避難所となる体育館など)を中心に導入を進める。量産効果でコストを低減し、民間の工場・倉庫などの屋根や外壁面もターゲットに需要を創出し、事業につなげる。