大分県/長期道路整備計画素案、老朽化対策や東九州道4車線化を推進

2025年1月9日 工事・計画 [14面]

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 大分県は、今後の道路整備の方針や具体的な取り組み、目標指標などを盛り込んだ長期道路整備計画「おおいたの道構想2024」の素案をまとめた。「安心・元気・未来創造」の3本の柱を基本に、防災・減災や老朽化対策、地域高規格道路の整備、東九州自動車道の4車線化などを進める。目標指標では早期に老朽化対策が必要な橋梁やトンネルの対策を2028年度までに完了し、地域高規格道路の整備延長は33年度までに新たに延長17キロの整備を目指すなどとしている。
 16年に策定し21年に改定した現在の長期道路整備計画が目標年度を迎えたことから、能登半島地震などを教訓とした南海トラフ巨大地震への備えなど社会情勢の変化を踏まえ見直した。計画期間は25年度から33年度までの9カ年。必要に応じて中間見直しを行う。
 整備目標は現状と同程度の予算が継続することを前提に設定。▽生活の安全・安心を高める▽元気で快適に暮らせる地域づくりを支える▽おおいたの未来創造に向けた-の三つの道路整備の実施方針を示し、主な施策と目標指標を盛り込んだ。
 安全・安心では防災・減災対策として33年度までに、県道路啓開計画で位置付けられた優先啓開ルート上の橋梁耐震化率80・3%、のり面対策率79・8%の達成を目指す。老朽化対策では23年度までの点検で早期に対策が必要と確認された橋梁、トンネルともに28年度までに対策を完了する。
 元気で快適に暮らせる地域づくりでは33年度までに主要渋滞箇所43カ所で対策を実施。都市内の街路を25年度から新たに11キロ整備し、33年度時点で延長520キロを目指す。
 未来創造では広域ネットワークの整備として東九州自動車道の優先整備区間の4車線化に向けた取り組みを推進。中九州横断道路や中津日田道路の着実な整備、整備未着手区間の早期の事業化を目指す。構想路線のうち豊後伊予連絡道路は機運醸成に取り組むとともに調査検討を進める。
 目標指標では大分空港や重要港湾、フェリー就航港など九州の東の玄関口として人や物の流れの拠点となる拠点化主要施設までおおむね30分で到達できる地域の割合を23年度より1・1%引き上げ33年度時点で55・5%とし、23年度時点で87キロだった地域高規格道路の整備延長は28年度までに93キロ、33年度までに104キロを目指す。
 改良済みだが線形不良などの課題がある区間を対象とした2次改築は28年度までに延長20・6キロ、33年度までに46・7キロ、未改良区間を2車線以上に改良する1次改築は28年度までに30・8キロ、33年度までに68・6キロで実施を目指す。
 県では27日まで素案に対する県民の意見を募集し、24年度末をめどに計画を決定する。