石破茂首相が6日の会見で「令和の日本列島改造」と銘打ち、地方創生の深化により「大胆な変革を起こす」と語った▼政府機関の地方移転を皮切りに、スタートアップの地域創業や大都市に立地する企業の本社機能移転を推進。デジタルを用いて交通や医療・介護などの利便性も高めるという▼コロナ禍以降、東京圏在住者の地方移住への関心は高まっている。内閣府が2023年4月に約1万人に実施したインターネット調査では、同3月時点で35・1%が「関心がある」と答え、20年5月から4・9ポイント上昇した▼テレワークが浸透し、場所を選ばない多様な生活や働き方も広がった。都市部の住民が同時に地方部にも生活拠点を持つ「二地域居住」や、普段の職場や自宅を離れ旅先でリフレッシュしながら仕事をする「ワーケーション」の増加も見込まれる▼首相が師事した田中角栄元首相の「日本列島改造論」では国土の均衡ある発展を提唱し、各地で集中して整備された高速道路や新幹線などが社会経済を支えてきた。ハードだけでないソフトの魅力に着目した令和の列島改造も、インフラが基盤であることに変わりはない。