愛知県/矢作川・豊川CNプロジェクト、堤防のり面活用し太陽光発電へ実証実験

2025年1月9日 行政・団体 [8面]

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 愛知県は、矢作川・豊川流域で「水循環」をキーワードに流域一体でカーボンニュートラル(CN)実現を目指す「矢作川・豊川CNプロジェクト」について、水インフラ空間をフィールドとする第1弾の官民連携実証実験に取り組む。堤防のり面へ設置する太陽光発電設備の開発(代表企業・パシフィックコンサルタンツ)とマイクロ水力発電システムを活用した環境学習(同・トヨタ自動車)の2件。河川(遊水地)堤防のり面に、のり面ブロックと一体となった太陽光発電設備を設置するのは全国初。
 堤防のり面へ設置する太陽光発電設備の開発の提案者はパシフィックコンサルタンツ、積水化学工業、丸栄コンクリート工業。
 再生可能エネルギーをさらに普及させるには、太陽光発電設備が設置可能なフィールドを拡大する必要がある。実証実験では、これまで設置検討がなされていなかった河川堤防ののり面を活用する。
 従来型の太陽光発電設備の設置は困難なため、ペロブスカイト太陽電池などとのり面ブロックを一体化した製品を開発し設置。堤防機能を損なわない設置方法、発電効率やメンテナンス方法などを確認する。ブロックは低炭素型製品を使用する予定。河川以外ののり面への展開も期待する。場所は幸田町の菱池遊水地の周囲堤。実施期間は4月から2026年3月ごろまで。
 マイクロ水力発電システムを活用した環境学習の提案者はトヨタ自動車、岡谷鋼機、川本製作所、オキナヤ、リバー・ヴィレッジ。未来を担う子どもたちに、再生エネルギーの創電体験を通じCNの意識や創電技術に関する興味や関心を持ってもらうため体験型の環境学習を行う。豊田市内の小学校に屋内モデルを設置する。21日に体験学習を開き、継続的に実施する。