TKP/サッカー専用スタジアム整備、大分市に陸上競技場改修案など提案

2025年1月10日 工事・計画 [15面]

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 サッカーJ2・大分トリニータの運営会社の筆頭株主で、貸し会議室大手のTKPは、大分市中心部へのサッカー専用スタジアムの整備を検討している。TKPの河野貴輝社長が足立信也市長に中心市街地の活性化に向けたプランとして提案し、PFIを導入して市営陸上競技場「ジェイリーススタジアム」(西浜)を改修する案などを示した。
 TKPによると同市出身の河野社長と足立市長が昨秋から複数回、中心市街地の活性化に関する意見交換を重ねる中で、河野社長がサッカー専用スタジアムの整備を提案したという。
 現在の市営陸上競技場の収容人数は1万6000人程度。西側のメインスタント(延べ約5200平方メートル)のほかに芝生スタンドがある。全体の敷地面積は約3万平方メートル。
 市営陸上競技場は日本陸上競技連盟の公認競技場であるが、2028年2月に公認期限を迎える。期限後には老朽化対策などの設備投資の在り方を考える必要があり、TKPの強みである既存施設の有効活用としてプランが示された。改修費用もチケット収入で十分にまかなえる範囲と見込んでいる。
 大分トリニータの現在のホームスタジアムである大分スポーツ公園総合競技場「クラサスドーム大分」(横尾)は中心部から大きく離れた丘陵地に位置する。
 市営陸上競技場は立地面では総合競技場に比べて中心市街地に近いものの、大分駅から徒歩40分程度とアクセスに大きな課題を残す。またサッカー専用化には陸上関係者との丁寧な協議も必要となる。そのためTKPは改修案をあくまで一つの候補とし、これ以外にも市中心部の未利用地への整備など複数のプランを提案したと説明している。
 サッカー専用スタジアムを実際に整備するかは市側の判断次第だが、TKPはスタジアム周辺だけでなく市街地全体へにぎわいが波及するような形を目指したいとし、市街地活性化で同じ思いを持つ他企業がいればコンソーシアムを組むなど「積極的に連携したい」としている。