東京都/西武新宿線・井荻駅~西武柳沢駅連立事業、用地取得を推進

2025年1月14日 工事・計画 [4面]

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 東京都が主体となって進めている西武新宿線の連続立体交差(連立)事業が新たな段階に入った。井荻駅(杉並区)~西武柳沢駅(西東京市)の高架化に向け、2024年12月に用地補償説明会を実施。高架橋沿いの側道や駅前広場などとして活用する土地を取得する方針だ。今後は土地や建物所有者などとの交渉を続け、まとまった用地が確保できた時点で、次の段階である工事説明会を開く。
 連立事業では▽東伏見駅(西東京市)▽武蔵関駅(練馬区)▽上石神井駅(練馬区)▽上井草駅(杉並区)-も高架化する。同12月の用地補償説明会は18日に東伏見駅、19日上石神井駅、20日武蔵関駅、21日上井草駅の近くの小中学校で開いた。駅前広場として使う土地は地元区市が取得し、整備する。
 都は工事着手に向け、これまで21年11月に都市計画決定し、24年3月に国から都市計画事業認可を取得した。都建設局は事業認可取得時点の事業費として2660億円と見積もった。ただ、建設費の上昇局面が続いていることもあり、建設局の担当者は「今後の物価動向を踏まえて変動する可能性もある」との見通しを示した。
 事業区間は杉並区上井草1から西東京市東伏見1までの東西方向に伸びる5・1キロで、立体化により1時間当たり約40分以上閉まる「開かずの踏切」12カ所を含む19カ所の踏切を除去する。区間内の5カ所で交差している都市計画道路のスムーズな通行も実現する。
 高架後の一般部の高さは5~12メートルで、駅部は15~19メートルとなる予定。側道は線路の北側で延長約3キロ整備する。24年3月の事業認可時取得時に示した事業期間は37年度までとなっている。