◇橋本~相模原間地下歩行空間整備など
相模原商工会議所不動産業部会(唐橋和男部会長)まちづくり分科会は8日、相模原市の本村賢太郎市長にまちづくりに関する提言を行った。リニア中央新幹線神奈川県駅(仮称)の開業などを見据え、企業誘致や新たな交通軸の検討、相模原駅~橋本駅間の地下歩行空間整備などの構想を打ち出した。市が2025年度に策定する「都市経営戦略」など、まちづくりの中長期的展望に反映させたい考えだ。
提言書のテーマは「魅力的な都市へ」。限りある財源を歳出で絞る政策から、歳入を増やす政策への方針転換を目指す。税収拡大策として産業用地の創出、積極的企業誘致、用途地域の見直し、麻溝台・新磯野地区の開発推進などを提案した。市内を相模原IC周辺、相模原愛川IC周辺、相模原駅北口、橋本駅南口、相模大野駅周辺、鳥屋地区の6エリア(拠点)に分け、エリア単位で産業集積や土地利用などの政策を提言している。
提言に付随する具体的な構想として4案を提示した。麻溝台・新磯野地区で市が進める区画整理事業に合わせ、大規模データセンターなど税収増(固定資産税)が見込める事業者の誘致を促進する。
市内南北交通網形成として県道507号村富線を主要ルートに、小田急線小田急相模原駅~相武台前駅間の「新駅(案)」からJR相模線「作の口新駅(案)」、相模原市役所などをつなぐ次世代型路面電車(LRT)路線の導入検討する。
JR横浜線相模原駅北口の在日米軍施設相模総合補給廠跡地暫定利用の検討と、リニア神奈川県駅ができるJR・京王橋本駅南口周辺のまちづくりを見据え、相模原駅~橋本駅間(氷川通り・大山氷川線)約3キロを徒歩移動可能とするための地下歩行空間、地下商店街を整備する。
JR東海が鳥屋地区で着工したリニア中央新幹線関東車両基地の車両整備基地としての運用と、橋本~鳥屋間回送線の旅客化を要望。それにより津久井・宮ケ瀬エリアの観光振興につなげる。