福岡県苅田町は新庁舎建設基本計画の素案を公表した。老朽化に伴う本庁舎の現在地(富久町)建て替えに向け、事業手法として設計・施工一括(DB)方式を採用することを決定。別棟や車庫、倉庫棟などを含めた概算事業費は約92億円(税込み、以下同)と試算した。早ければ2025年度にDB事業者選定に向けたアドバイザリー業務を委託し、26年度後半~27年度で事業者を選定する。同年度末に設計に着手し、30年度中の供用開始を目指す。
現庁舎の建物規模はRC造6階建て塔屋1階延べ5975平方メートル。老朽化とともにバリアフリー化や防災拠点としての機能拡充などが求められ、改修ではなく全面建て替えとする方針を固めた。
建て替えに当たっては公共施設全体の効率化の観点から、庁舎敷地内にある三原文化会館(RC造2階建て延べ1718平方メートル)などと複合化。小波瀬水防倉庫(与原)や失業対策事業詰め所・勤労者休憩所(磯浜町)といった町内各地の行政系施設は庁舎機能に含める形で再編する。
新庁舎の必要面積は、庁舎機能が延べ約8200平方メートル、文化会館など複合化する機能が延べ約1800平方メートルとし、基本構想と同程度の総延べ約1万平方メートルに設定した。
施設配置については敷地の西側に庁舎棟、中央寄りに別棟を整備。別棟の北東側に車庫・倉庫棟を設け、東側一帯を駐車場(448台収容)とする。国指定史跡「石塚山古墳」の隣接地であるため、25年度以降に文化会館などを解体した後、文化財調査を実施。この結果、敷地西側への庁舎配置が厳しいと判断した場合は、全体の配置計画を見直す考え。
概算事業費のうち、本体工事費は庁舎棟が約58億6000万円、別棟が約12億9000万円。設計監理費は庁舎棟が約3億1000万円、別棟が約7000万円を見込む。
24日まで素案に対する一般からの意見を募集し、24年度内の計画を策定する。
基本構想・基本計画策定業務はニュージェックが担当している。