建設業界の職域代表として国政で活躍し、2024年12月27日に死去した自民党参院議員の足立敏之氏の通夜が10日、葬儀が11日、東京都港区の増上寺で開かれた。政府や業界の関係者らが多数参列し、故人との別れを惜しんだ。
足立氏は1979年に京都大学大学院工学研究科を修了し、建設省(現国土交通省)に入省。技監などを経て2016年参院選の比例代表で初当選し、現在2期目だった。「建設産業の再生なくして、日本の再生なし」をスローガンに、建設業界の持続的発展と、安全・安心で豊かな国土づくりを最後まで訴え続けた。
葬儀では友人や後輩が弔辞を述べた。スポーツ好きの足立氏を紹介した京都大学時代の同級生の藤田乾一氏は「輪の中心には常にあなたがいた」と話し、池内幸司河川情報センター理事長も「先輩というだけでなく兄のような温かさで、私たちを導いてくれた」と足立氏の人柄に触れた。
同じ職域代表の佐藤信秋参院議員は、少数与党となった先の臨時国会で足立氏が野党との調整役などで24年度補正予算の成立に貢献したとし、「官僚出身で職域代表の議員が、その専門性を生かしながらも国会対策に尽力する姿は、まさに参議院の独自性を体現したものだ」とたたえた。
葬儀委員長として参列者にあいさつした前首相の岸田文雄衆院議員は「足立先生がたびたび訴えてきたように、諸外国に引けを取らないインフラ整備を進める。気候変動が進む中で、しっかり対応できる事前防災を推進する。こうした国土づくりに力を合わせていかないといけない」と訴えた。