回転窓/大相撲聖地の行方

2025年1月15日 論説・コラム [1面]

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 大相撲人気が再燃している。チケットは2023年九州場所12日目から今年の初場所千秋楽まで連続完売中。若貴ブームで666日間の満員御礼が続いた平成初期の記録更新が期待される▼日本相撲協会は「相撲好き女子(スー女)」と呼ばれる若い女性を意識したSNSの広報や、推し力士の応援グッズ販売に注力しファン層を拡大した。大相撲を題材にしたネットフリックス配信ドラマ「サンクチュアリ-聖域-」の世界的ヒットもあり訪日外国人旅行者の観戦も目立つ▼今年は協会にとって財団法人設立100周年の節目となる。初場所2日目の13日には年末までにさまざまな記念事業を行っていくことが発表された▼注目すべきは昨年11月に竣工40年を迎えた両国国技館。八角理事長は年初にスポーツ紙の取材で、建て替えるか維持するか在任中に道筋を付けると明言した▼体育館や武道館、アリーナと名の付く屋内スポーツ施設は多いものの、国技館は一つしかない。協会による検討の行方が気になるが、どんな形になったとしても大相撲の聖地にふさわしい厳粛さと熱狂の名勝負を生み続ける空間であり続けてほしい。