東京都港区で活動する三田小山町西地区市街地再開発組合(宮川昭理事長)は11日、再開発施設の新築工事に着手した。組合関係者や設計・施工者らが集まり、工事の無事完成を祈願した。設計をアール・アイ・エー、施工は戸田建設と大成建設が担当している。施設は総延べ17・7万平方メートルの規模になり、2028年度の竣工を目指す。
同日現地で起工式を開いた。神事ではアール・アイ・エーの梅澤隆社長が鎌入れ、宮川理事長が鍬入れ、戸田建設の大谷清介社長と大成建設の土屋弘志副社長執行役員営業総本部長が鋤入れに臨んだ。
起工式に続いて開いた祝賀会で宮川理事長は、まちづくりに向けた地元組織の設立から着工まで約40年かかった経緯に触れ、「長い道のりは山あり谷ありだったが、ようやく着工に至り、感無量だ」と述べた。区域内ではお祭りなど古くからの行事が続いているとも語り、「愛され続ける、愛着を持ってもらえる三田小山町のまちづくりを進めていきたい」と展望を話した。祝賀会に出席した清家愛港区長は「大規模災害に備え、防災備蓄倉庫の設置や帰宅困難者対策など、地域への貢献が期待される」と述べた。
計画地は三田1(区域面積約2・5ヘクタール)。東京メトロ・都営地下鉄麻布十番駅の南東に位置する。区域内を南北の2街区に分け、北街区に地下1階地上42階建てのA棟と、地下1階地上8階建てのオフィス棟を建てる。総延べ床面積は約10・7万平方メートル。
南街区には地下1階地上31階建てのB棟と、地下1階地上16階建てのC棟を設ける。総延べ床面積は約7万平方メートル。南北両街区を合わせ、共同住宅(1409戸)やオフィス、店舗、保育園などを整備する。駐車台数は506台。
事業を可能にする都市計画は16年度に決定され、20年度に本組合の設立、22年度に権利変換計画が認可された。組合には参加組合員として▽三井不動産レジデンシャル▽日鉄興和不動産▽三菱地所レジデンス▽首都圏不燃建築公社-の4社が参画している。