東亜建設工業と石油製品販売の三和エナジー(横浜市港北区、高松克行社長)は、廃食用油からバイオディーゼル燃料(FAME)を製造・販売する共同事業の検討を始めた。三和エナジーの製造・供給のノウハウと、東亜建設工業の臨海地区でのプラント整備などの知見を持ち寄る。両社はバイオ燃料事業の立ち上げに向けたFS(事業化可能性調査)を始め、製造から販売までワンストップ体制の構築を目指す。東亜建設工業は異業種連携により燃料分野の脱炭素化を促進する。
今回のFS検討は、異業種連携の第3弾となる。三和エナジーは埼玉県狭山市に日本最大級のバイオ燃料製造工場(新狭山工場)を保有。バイオ燃料の大量製造に関する知見を持ち、建設現場への燃料配送事業の豊富な経験を生かし、バイオ燃料の製造・供給を担うことができる。
両社は事業確立に向け横浜市の臨海部に、海上出荷設備を備えた国内最大規模のバイオディーゼル製造工場を稼働させる方針。製造能力は1カ月当たり500~600キロリットル。供給開始時期は2026年度を予定している。東京湾を中心に陸上・海上を問わずバイオ燃料の供給網を確立する。
海洋土木工事で使用する作業船は、化石燃料由来の二酸化炭素(CO2)を多く排出しており、省エネ施工の推進とともに、代替燃料の活用に取り組む必要がある。
現在、船舶への代替燃料の供給体制が十分ではなく、CO2排出量の削減の進捗に課題が多いことから、東亜建設工業は代替燃料の製造・供給の可能性を検討していた。