東京都は2025年度、防災対策のレベルを上げる「TOKYO強靱化プロジェクト」を推進するための資金調達を強化する。「TOKYOレジリエンスボンド(仮称)」を国内自治体で初めて海外で発行。調達した資金の使途はTOKYO強靱化プロジェクトに限定する。同ボンドを含めたSDGs(持続可能な開発目標)債全体で約1300億円を発行する計画だ。
10日に行った25年度予算案の知事査定で決めた。TOKYOレジリエンスボンドの発行額は今後詰める。SDGs債は、環境や社会課題の解決を目的とした事業の資金調達のために発行する債券となる。
都は海外からの投資も幅広くを呼び込むため、外債による「東京サステナビリティボンド」を24年度に発行した。25年度に発行予定のTOKYOレジリエンスボンドは、サステナビリティボンドをバージョンアップした形となる。
25年度予算案は31日に発表する。同年度の一般会計予算規模は24年度の8兆4530億円を上回り、過去最大となる見込み。収入面では都税収入が堅調で、24年度当初予算の6兆3865億円を超える6・9兆円台になる見通しだ。法人2税(法人事業税、法人都民税)のほか、個人都民税などが伸びた。
都債は発行を抑え、残高を減らす。基金は積極的に取り崩し、財源として使う。都会計管理局の「令和6年度公金管理計画」(24年4月策定)によると、都が22年度末に創設した「東京強靱化推進基金」の24年度平均残高見込みは約3252億円としている。
小池百合子知事は10日の定例会見で、発生から30年を迎える阪神・淡路大震災や近年の地震災害を踏まえ、「さまざまな被害や課題などを精査しながら、都民の命や暮らしを守る。知事査定の中でも、そういったことを反映していきたい」と話した。