四国地方整備局と徳島県は11日、徳島県小松島市のサウンドハウスホールで徳島小松島港赤石地区国際物流ターミナル整備事業の着工式典を開いた。国や県、港湾関係者ら約200人が出席し、国際競争力を一段と高める港湾整備事業の門出を祝った。事業期間は2024~30年度。総事業費は90億円。
徳島小松島港は、徳島市と小松島市を背後地とする重要港湾。南部に位置する赤石地区では木材チップ船が月に約3隻、海外との定期コンテナ航路が週2便、神戸港との国際フィーダー航路が週1便、大型クルーズ船は年7隻寄港するなど、多くの船舶が利用している。世界的な電気自動車(EV)化や半導体需要の高まりを受け、県内企業が増産を計画。コンテナ貨物量は国際フィーダー航路を中心に約1万3000TEU(20フィートコンテナ換算)の増加が見込まれる。
このため、国が既存岸壁(水深13メートル)の80メートル延伸や改良を実施。泊地(同)3・8ヘクタールの浚渫も行う。県はガントリークレーンを1基新設し、ふ頭用地を2・1ヘクタール拡張する。外貿コンテナ船と国際フィーダー船、木材チップ船の3隻同時係留が可能となる。
冒頭、後藤田正純徳島県知事は「バッテリーバレイ構想などの実現に向けた徳島新時代の重要なターニングポイントになる」とあいさつ。稲田雅裕国土交通省港湾局長は「徳島、四国、日本の魅力を発信する拠点であり、地方創生の基盤となる。安全第一で整備を進めていく」と述べた。
地元選出の国会議員らの祝辞に続き、高尾俊輝四国整備局小松島港湾・空港整備事務所長が事業概要を説明。後藤田知事や稲田局長らがくす玉を開き着工を祝った。