この前の3連休に「初売り」を行った港の朝市が大勢の人でにぎわっていた。マグロが看板の地域であり、冷凍マグロ一本が当たる恒例の大抽選会が今年も催された▼景品は、遠洋のはえ縄漁で捕ってすぐに急速冷凍された重さ48キログラムのメバチマグロ。主催者によると、さくにすれば200人前になるそう。そのまま持ち帰れもするけれど、解体と搬送を主催者に任せることもできると聞いた▼水産庁は、昨年4月施行の改正漁港漁場整備法に基づき、地域の所得向上や雇用機会の創出を目指す「海業」を本格展開する。漁業組合などによる海業の検討や立ち上げを支援する経費を2025年度予算案に盛り込んだ▼老朽化した施設や、使われなくなった多くの漁具が残る港は少なくない。海業は港の再配置や解体といった建設工事との組み合わせも想定。能登半島地震の被災地での事業化にも期待が集まる▼冷凍マグロを当てたのは横浜市から来たご夫婦。「皆さんのマグロを持っていくのはこの人です」と冗談交じりに紹介されながら、大きな拍手と歓声で祝福されていた。年始のこんなにぎわいが海業から広がったらうれしい。