トヨタ不ら/トヨタアリーナ東京(東京都江東区)建設現場を公開、設計・施工は鹿島

2025年1月16日 行事 [4面]

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 トヨタ不動産らは15日、東京都江東区のお台場・青海エリアで建設している複合アリーナ「トヨタアリーナ東京」の建設現場を報道陣に公開した。広大な無柱空間の実現に当たり、設計・施工に当たる鹿島が技術を結集。約2年間という短工期で施設を仕上げるため、協力会社との緊密な連携の下で工事に当たっている。同社の辻岡展宏副所長は「難工事で工期も短いが、残る5・5カ月を無事故で竣工させたい」と気を引き締める。
 事業はトヨタ不とトヨタ自動車、トヨタアルバルク東京(東京都文京区、林邦彦社長)の3社で推進している。
 建設地は青海1(敷地面積約2・7万平方メートル)。トヨタ自動車のテーマパーク「メガウェブ」の跡地に当たる。建物はS造地下1階地上6階建て延べ3・7万平方メートルの規模。最大1万人収容のメインアリーナや、練習用のサブアリーナ、広場などで構成する。
 施設は6月の竣工、今秋の開業を予定。開業後はプロバスケットボールのチーム「アルバルク東京」の本拠地として使うほか、コンサートやMICE(大規模なイベント)にも貸し出す。外構部には豊富な植栽を施し、青海エリアの環境向上にも一役買う。
 工事の進捗率は同日時点で約75%。建物はおおむね完成し、設備工事や屋上緑化、外構工事などを残す。設備工事では今後、天井からつり下げて全方位から見られる「センタービジョン」や、アリーナを一周する「リボンビジョン」などを設置する。
 辻岡副所長は「アリーナは設備の塊で、設備量も通常のビルの5割増しくらいの印象だ。短工期の中、鉄骨工事と同じタイミングで照明や機械を設置するなど、施工の平準化に力を入れた」と工夫点を説明。「今後は外構部へと戦線が広がる。そこをチームワークよくコントロールしていくのが鍵だ」と語った。
 トヨタアルバルク東京の林社長は、メガウェブの跡地という特性を踏まえ「にぎわいを継承する形で、スポーツも含めた情報発信拠点にしていきたい」と話した。