鉄建建設会長・林康雄氏が死去/鉄道インフラの建設・保守けん引

2025年1月17日 人事・動静 [1面]

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 鉄建建設会長で元土木学会会長の林康雄(はやし・やすお)氏が13日、死去した。72歳だった。通夜・告別式は近親者で行う。後日、お別れの会を開く予定。
 神奈川県出身。1975年に東京大学工学部土木工学科を卒業し、日本国有鉄道(国鉄)入社。民営化で発足したJR東日本の理事八王子支社長、取締役建設工事部長、常務鉄道事業本部副本部長などを経て、2013年鉄建建設代表取締役兼執行役員副社長、14年社長に就任した。
 鉄建建設では社是に掲げる「信用と技術」の基本に徹し、技術力の向上や財務体質の強化に向けた施策を推進。経営幹部と現場職員との意見交換会をスタートさせるなど、全社一丸となって働く企業風土づくりにも積極的に取り組んだ。18年に代表取締役会長就任。約50年にわたり鉄道インフラの建設、保守をけん引した。
 19年6月に土木学会の第107代会長に就任し、土木工学の発展や土木技術者の育成にも尽力した。インフラメンテナンス(鉄道)がテーマの会長特別委員会を発足させ、鉄道インフラと維持管理体制の現状を分析・評価した上で、将来にわたる鉄道メンテナンスのあるべき方向性を提言した。21年5月には20年度土木学会賞功績賞を受賞した。
 林氏をJR時代から知る人は「いつも太陽のように明るい方だった」と話す。周囲の意見も聞きながら率先して物事を前に進めるリーダーであった。