回転窓/この30年の経験を今後30年へ

2025年1月17日 論説・コラム [1面]

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 13日午後9時過ぎに宮崎県沖の日向灘を震源とする地震の発生に緊張が走った。日向灘では昨年8月にマグニチュード(M)7・1の地震が発生したばかり。南海トラフ地震が起きる前兆かと肝を冷やした方も多いだろう▼今回の地震について気象庁は評価検討会で分析した結果、現在のところ南海トラフ地震発生の可能性が平常時と比べ相対的に高まっていないと結論付けている。巨大地震警戒などにも当てはまらない現象と評価した▼政府の地震調査委員会は15日、M8~9クラスの南海トラフ地震が今後30年以内に起きる確率を従来の「70~80%」から「80%程度」に引き上げた。南関東地域に目を転じると、今後30年以内に70%の確率でM7クラスの首都直下地震が発生するとの予測だ▼各地で巨大地震が起きる可能性は十分に高く、いつ起きてもおかしくないのが普段の状態といえよう。あらゆる事態を想定し被害の最小化に努めなければならない▼阪神・淡路大震災からきょうで30年。この間、東日本大震災や能登半島地震など災害が続く。その経験や教訓を一つでも多く伝え、これから起こる災害への備えを徹底したい。