世間には面白い川柳コンテストがあるもので、松山市水産市場運営協議会が隔年で募集していた「魚嫌い川柳」もその一つだろう。魚に興味を持ってもらおうと2022年度までに7回実施され、「魚の食わず嫌い」などをテーマとするユニークな作品が毎回寄せられてきた▼第6回ジュニアの部佳作に好きな句がある。〈焼き魚骨を取るのに骨折れる〉(うのさん)。魚を食べない理由に「骨を取るのが面倒」を挙げる人も多く、作者のセンスが光る▼魚の骨が苦手な子供や大人に強い味方が、スーパーなどで売られている骨を丁寧に取り除いた「骨なし魚」「骨取り魚」。低脂肪で良質な動物性タンパク質の魚を、病院でも安心して食べられるようにと商品化され広く人気が高まったようだ▼日本介護食品協議会は日常食から介護食まで使え、食べやすさに配慮した食品を「ユニバーサルデザインフード」に認定している。ウェブサイトでは骨なし魚に限らず素材やかたさなどに応じたさまざまな商品を検索できる▼誰もが分かりやすく、使いやすいのがユニバーサルデザイン。食の分野でも大切なコンセプトに他ならない。