大阪・関西万博に参加を予定する国・地域や国際機関の担当者を集め、兵庫県姫路市で開かれていた「国際参加者会議(IPM)」が16日、閉幕した。パビリオンの準備が最終段階に入る中、開幕後のオペレーションや会場アクセス、車両管理、イベントの進行など万博の運営について共有。同日は海外パビリオンの展示内容が発表されるなど開幕に向けた機運を盛り上げた。閉幕後の記者会見で2025年日本国際博覧会協会の石毛博行事務総長は「パビリオンの準備が間に合うようにサポートする」と話した。
会議は15日に始まり、約160の国・地域などから約600人が参加。イベント▽オペレーション▽ロジスティクス▽開幕前・開幕後-など八つのセッションに分け、日本国際博覧会協会が内容を説明した。
16日は公式参加の16カ国のパビリオンのほか、生物学者や映画監督など8人のプロデューサーが主導するシグネチャーパビリオンのうち、大阪大学の石黒浩教授らが手掛ける三つのパビリオンの展示内容などが発表された。
このうち、イタリアの担当者はナポリ国立考古学博物館が所蔵する「ファルネーゼのアトラス」像を展示すると発表。「過去の芸術から新しい技術を使って現代の芸術を体験できる」と説明した。インドネシアは「船」をモチーフに同国の伝統的建築が融合したパビリオンを建設。「持続可能な建築資材を使う」などとした。
石黒氏は「命の未来を最先端技術で発信する」と話し、会場に20体のアンドロイド、30体近くのロボットを展示すると発表した。
記者会見で石毛事務総長は「会場では全てのパビリオンが着工し、仕上げや展示工事が進んでいる。開幕に間に合うようにサポートしていく」と述べた。博覧会国際事務局(BIE)のディミトリ・ケルケンツェス事務局長は「しっかりコミュニケーションをとり、情報を共有し、問題があれば解決していくことが重要だ」と強調した。
4月13日の開幕まで残り3カ月弱となり、協会や出展関係者はパビリオンの建設やコンテンツの制作、スタッフの確保など準備を急ピッチで進める。