今春の進学に向け受験シーズンが本格化してきた。この土日に行われた大学入学共通テストの志願者数は約49万5100人と前年から約3200人増えた。テスト結果は国公私立大など838校で利用されるという▼今回は新たな学習指導要領を受け、グラフ・表のデータ活用やプログラミングなどの知識を問う「情報」を初めて実施。出題教科・科目も6教科30科目から7教科21科目に再編した▼さまざまな課題や社会的背景を踏まえ、教育方針や指導要領は適宜見直されてきた。ゆとり教育が始まった2002年度に公立学校では週休2日制が完全実施されている▼時間的・精神的な余裕を持たせつつ、子供が自ら考え行動できる資質や能力を育み、生きる力を身に付けることに重きが置かれたゆとり教育。総合的な学習に力を入れる改革だったが、学力低下を招いたと指摘され、2010年代に入ると授業時間数の増加など「脱ゆとり」へと転換した▼学校教育は移り変わり、企業が求める人材像も変わってきたと言われる。受験生たちが社会人となる頃には、多様な価値観がもっと受け入れられる社会になっているだろう。